蓋付本棚

本棚を眺めていると尽きない

『あの戦争から遠く離れて 私につながる歴史をたどる旅』城戸久枝

NHKドラマ「大地の子」が再放送されて話題になっていた。何度見ても心を打たれる。それでこの本も思い出した。残留孤児の物語は多くあるが、この本は大人になって帰国した元残留孤児の、その娘の物語。娘は普通に日本人として育ち、父親の来歴を知り、興味を…

『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』加藤陽子

新潮文庫版を読んだ。著者のことは知らなかったが本屋でタイトルに惹かれて。学術会議で菅首相から任命拒否されたのはそのあとの事。その後の発言なども見て骨のあるかただなと思う。日本人は戦争を選んだと言われて、そんなことないと言いたいけどわからない…

『接着とはどういうことか』井本稔、黄慶雲

神田の古本屋でふと買った。指を水で濡らすと小さな粒をひっつけて集めることができる。子どもの頃にふとそれが不思議になった。今なら表面張力、水素結合かなと思うけど確かな原理は知らない。漠然と抱えつづけている疑問にばっちりの題名だった。接着を語…

『道標』宮本百合子

写真は母の蔵書にあったもので昭和42年の新潮文庫。旧仮名。今は青空文庫で読める。革命後間もないソビエト連邦、モスクワの印象が詰まった小説。百合子本人である主人公は新しい社会主義の国を体験する。ずいぶん感覚的でフワフワしているが、人の様子や街…