蓋付本棚

本棚を眺めていると尽きない

『道標』宮本百合子


f:id:futahon:20210416230421j:plain


f:id:futahon:20210416230738j:plain

写真は母の蔵書にあったもので昭和42年の新潮文庫。旧仮名。今は青空文庫で読める。

革命後間もないソビエト連邦、モスクワの印象が詰まった小説。百合子本人である主人公は新しい社会主義の国を体験する。ずいぶん感覚的でフワフワしているが、人の様子や街の景色、雰囲気が生き生きと伝わってくる。

モスクワのアストージェンカ1番地は主人公たちが部屋を借りる場所で、現代の地図で探してみた。金色の丸屋根のキリスト教会のそば、並木道の起点、モスクワ川から程近くと説明されているのが目印になる。確かにあった、Ulitsa Ostozhenkaの角地。

アストージェンカ1番地で机に向かう主人公を見ていると、不思議と自分も勉強しようという意欲が起こる。

f:id:futahon:20210416233830j:plain